長崎県 長与町 ひらた果樹園の4代目
平田 大輝さんのみかん
平田大輝さんは、1997年生まれの生産者。4代続くみかん農家に生まれ小さなころから祖父、父の背中をみて育ってきました。その影響から「いずれみかん農家を継ぐ」という思いがずっとあり、2年間勉強のために長崎県の卸売市場で働きました。
卸売市場で様々な生産者のみかんに触れることで、「みかんで沢山の人に喜んでもらえるのがうれしい」という思いは強くなるばかり。その後21歳で就農しました。
未来の農業を担う若手生産者
糖度だけでない、美味しいみかんに感動しました。
60代後半が日本の農業従事者の平均年齢であることを考えると、平田さんは、駆け出しの生産者です。若手らしく謙虚な方ですが、作るみかんは、本物です。平田さんが旨味・コクを出すために、力をいれて行っている葉に直接栄養を与える肥料の葉面散布の影響もあり、とても旨味が強いです。
SNSで他の若手みかん農家と情報交換をするなど勉強熱心なうえ、現役の腕利き生産者である、お父様の指導を受けられるのは、何よりも恵まれた環境です。今後、経験をつみ、さらに腕が上がることを期待せずにはいられません。
経営も自分で行い、販路も自分で探し、園地の管理も全て自分で行っています。
自分のみかんをたくさんの人に食べてもらうことが何よりもうれしいと語ります。
恵まれた園地で作るみかん
〜立派な石垣は曾祖父の代から〜
平田さんの園地は山の中腹の急斜面にありました。自宅の裏の山頂付近まで広がる5町歩(50,000平方メートル)にもなる広大な園地です。やせた赤土の土地でみかん栽培に適した土地です。
この立派な石垣は、曾祖父、祖父の時代に作られたものです。
園地の排水を促し美味しいみかんを作るために大切な石垣ですが、重機のなかった時代に山を切り開き
ダイナマイトで石を爆破して、石垣を積み上げるのです。
大変な苦労があったこの石垣は、今であっても簡単にはできません。味が凝縮したみかんが出来ます。
有機肥料をたっぷり与えます。
平田さんは、土壌の微生物を増やすことを意識して、栽培では土づくりを意識しています。
旨味を出すために魚粉を使い、人間と同じでミネラルも重要と考えてたっぷり与えているそうです。
春先に樹にたっぷり肥料を与える以外にも、年間を通して独自の配合で作った肥料の葉面散布を行い、その回数は年間で15〜20回にも及びます。日々の絶え間ない努力が美味しいみかんを作り上げるのです。
取材は2022年11月4日に行いました。
右側のみかんは、12月中〜下旬に収穫されるみかんですが、濃いオレンジ色ですでに糖度は申し分のないレベルでした。
この後、徐々に酸が抜けて、樹上で熟すことで果肉がまろやかに仕上がってくるそうです。
糖度を計測すると、11月上旬ですでに13度近くありましたが、収穫時期には14度を超えるものが当たり前に出るそうです。