濃密な香り、マスカットの源流
『マスカット・オブ・
アレキサンドリア』
マスカット・オブ・
アレキサンドリアとは?
紀元前の北アフリカ(エジプト付近)原産のヨーロッパブドウです。
世界三大美女のクレオパトラに愛されたという逸話が残るほど、古い品種です。
その味わいと美しさは現在でも評価され続け、高級ブドウとしてあり続けています。
シャインマスカットをはじめ数々のぶどうの大親にあたり、
「マスカット・オブ・アレキサンドリア」はまさにマスカットの源流なのです。
濃密なマスカット香をもつのは
やはり、アレキサンドリアです。
マスカットの由来=(MUSK、ムスク、麝香)のような高貴な香りを持ちます。
口にいれると、はじける食感とともにアロマが鼻に抜けます。
この香りは原種(源流)である、マスカットオブアレキサンドリアだから感じられる濃密なものです。
種あり品種ならではの、
深く豊かなコク。
マスカット・オブ・アレキサンドリアは「種ありブドウ」です。
種のタンニン成分由来の深みとコクがあります。
甘さ一辺倒ではない、この味わいこそが“ブドウ本来の美味しさ”とも言われます。
近年は、食べやすい「種無しブドウ」が人気ですが、種ありの魅力を感じてください。
美しい房型は芸術品の域です。
毎年、お中元の品として重宝される
「マスカット・オブ・アレキサンドリア」
特に上位等級品の房型や粒の配列には惚れ惚れとします。
実は、この美しさは自然がなせる業ではありません。
産地は岡山県船穂地区です。
岡山県は温暖な気候と晴れの日が多いことから、「晴れの国」とよばれています。
乾燥地帯が原産のアレキサンドリア栽培と気候が合う数少ない県といわれます。
全国に先駆けてガラス温室の栽培が成功したことから、今でも国内の出荷量の9割以上が岡山県産のものです。
なかでも、船穂地区は栽培技術が130年以上受け継がれる一大産地です。
歴史に裏付けされた、生産者の腕によりアレキサンドリアは美しく完成します。
房づくりの作業は繊細です。
実が米粒大の時期から数ミリの世界で手をいれて理想の房型に整えていきます。
つぼみ摘み、1番間引き、2番間引き、仕上げ間引き…
どのタイミングで、どこにはさみを入れれば、美しいプロポーションになるのか、完成形を想像しながら手を入れます。
経験則がなければ成り立たず、この技術は若い世代にも受け継がれています。
船穂町ぶどう部会では、
毎朝が目揃え会。
毎朝5時過ぎに、その日ブドウを出荷する組員は全員集合。選果レーンに立ち、検査員として全員で検品確認作業をします。
良い品は自慢したい、悪い品は絶対に出せない、そんな緊張感が張り詰める瞬間です。
これは毎日目揃え会を行うようなものです。
そのため、船穂から出荷されるブドウはどれもバラつきなく、高品質が担保されるのです。
最高峰の特別規格も
ご用意しました!
等級基準最上ランクの「特秀品」
その中でもより、
①粒が揃い、大きなもの
②鮮度を示すブルームのつき方が良いもの
③房の形・美観に優れているものを
食文化特別規格として選果ラインから選び抜きます。
せっかく「特秀品」を買っていただくなら最高峰を体感してほしい。
そんな船穂町ぶどう部会の全面協力をいただきました。
船穂のマスカット・オブ・アレキサンドリア通じて、是非、マスカットの源流に触れてください。
ギフトにも大変お勧めです。
独り占めしてじっくり味わいたくなる、そんなブドウです。
食文化 鈴木 愛理